大人になれば

本を読んで得た考え方を、あたかももとから考えていた、自分の考えのように話してしまった。話したことで実際この考え方が本当に自分を納得させ、正しいということを心の中に自分自身に浸透させていくような感じだった。

大人とは、自分が大人だと思った人が大人であるという、ある本の受け売り。

大人という言葉はだいぶ昔から素通りできないでいて、大人になりたいと思って来て、いまだに自分なりの定義が固まっていない。

大人じゃない自分を認めたくなく、人から大人だと思われたい。

こういう人は大人でかっこいい、と思う人を、目指してもいなく、それについて普段からまじめに考えることもせずに、ある日誰かが、あの人は大人だよね。と言っていたら、急にグサリとひっかかる、大人=すてきな人、っていうのがやっぱりあるし、そうじゃない自分のこともわかっているし、つまり自分は大人として評価されたいし、大人として評価されてないし、モロに顔に出て、わかりやすく動揺してるんだろうなと思う。

年々本を読まなくなってきた

本を読まなくなってきたことをわざわざ言うのは、本を読むことになにかを見いだすことになってしまうので、それについて語りだせば、読まないことは良くないことだという話に最後になりそうだが、前はじゃあなんですぐ買って読んでいたかといえばそれはよくわからないし、なんでだんだん読まないかもわからない。またまったく読まないわけではない。


知り合いが人前で本を読んでいるのだけど、よく読めるなと思う。読書時ひとは別次元に行っていると思う。その時、なんぴとたりとも話しかけてほしくないし、電話が鳴ることは最悪で、できれば知り合いのいない時にどっぷりやりたいものだ。この、読書時の次元違いの具合は、スマホ観覧とは似ているようで絶対的に違う線が引かれていて、

紙がページになり、字が着いた途端、遠目からしても、その時その人とわたしは一切世界のつながりを持たない。

読書は他人を無視し、世界理解の為にしていそうな行為の割に、わたしたちを断絶する。

それがあってこそまた学びを得、生きることの困難さに立ち向かう勇気を与えられもするのだが、

テレビを見ない、携帯をやらない、というのを宣言する人への不愉快さと、読書が好きだと言う人への不愉快さは自分のなかで同一の意味合いを持つようで、

読書が好きだというのは、なんだ?と。本が好きとかも、なにか言葉にするのは難しいのだが、なにかを占有しようとしている人間の言葉遣いに聞こえて、

昔、銀座の喫茶店でバイトをしていた時に、店長が俺はコーヒー嫌いだからねと糖尿っぽい顔で言っていたのを思い出して、いまに思えばなんだ好人物だったなと思うのだが。

年々、気持ち悪いと思うものが増えた

人のハンカチは、小学生のときはトイレのあとに借りたりしたが、本当に知らないうちに使えなくなった。家族のハンカチも、お外のトイレで渡されてもちょっと嫌だから断る


ライザップのビフォーアフターは、アフターがツヤツヤの黒めの男が、どや顔でいて、若くしてお金を手にした驚くほど店員などに横柄な、日本のために命をかけた昔の大人が見たら嘆くだろうばかの基本形のようなふうで、それがわざと、こちらをざわつかせているのなら、無知な自分が残念だけど。


お金を、毎日見ている仕事なのだけど、紙幣は時々、血みたいなものが着いているし、硬貨はまず鉄臭く、延々と人から人に渡っていて、おお気持ち悪い。昭和35年の10円玉などは、見ていると逆に、本当に悲しくなり二度と戻らない時に思いを馳せて、昭和の誰かが払ったお金が今ここにある不思議を思い、いまも全国のひとのサイフに暗がりで潜むそれを思い、不気味でさえある。そんな古い貨幣を今なお流通させているこの国はだから役所の建て替えもなかなかしないな、と思い、役所の壁の、貼られた紙がずれているとき、少しずれたところが白くなっていて、古く感じるのと同じような感じがする。


とりのフンがある道は、いつからかこれもわからないが、嫌な感じがするようになった。気にしたこともまじまじと見たことももちろんない景色だったもので、逆に言えば?とりのフンの、というかハトの匂いを思い出すと、とりのフンがある場所はその匂いがしそうで、大人になっても驚くほど決まって息を止めて歩く自分がいる。ハトたちの羽ばたく瞬間に立ち会ってしまうときも同様で、じつはハトが嫌いな人は相当いるとは思うので、自分のこの気持ち悪いと感じた芽生えは、人よりじつは後発なんだろう。


植物が育つことは、気持ち悪い。

豆苗をある時によく買っていて、豆苗というのはご存知一度使って、そのまま育てるともう一度伸ばして、収穫できるというもので、おトクな野菜のような感じながら、部屋で、知らないうちにニュッと伸びていく苗を思うとだめだ。さらに、伸びるのは構わないが、どんな空気でどんな水で伸びるのだ?というと自分の部屋の日中人のいないこもった空気に、賃貸の水道水で、白く伸びたあとに食べるそれには栄養がありますか。

じっとみていても、伸びないが、外出して、帰宅したら伸びているに決まっていて、そうなると実に実に気持ち悪い。


初投稿だからこれぐらいしか思いつかない、思いついたらまた書く。